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裂き織りの炬燵がけ

続けてもう一つ盛岡話。

写真の布は「裂き織り」の炬燵がけ。
母が子供のころ、祖母の実家・盛岡から送ってもらったものだそうです。
いわゆる「南部裂き織り」でしょうか。
裂き織りの炬燵がけ_e0143294_1954725.jpg

炬燵の角に当たっていた部分は
穴があいてしまっていますが、
独特の存在感と、なんともいえない
暖かい色使いで、綿入との相性もバッチリ☆
展示の時など、とても重宝しています。

「裂き織り」は、江戸時代頃に
東北地方で始まったそうです。
気候が厳しく木綿の栽培が出来ない東北では、
布は大変高価なもの。
何度も仕立て直し、着古した着物を細く裂き、それを横糸として織ったのが裂き織り。
その裂き織りさえも接ぎをあてながらぼろぼろになるまで使い、
布として使えなくなると、また裂いて、なって縄にし、
最後は燃やして、灰になったら畑に撒く・・・。

使い捨ての時代に生まれた私には想像もつかない、布の一生。
現在の布は天然素材ばかりではないし、染料だって化学染料が多い。
畑に撒いても肥料にならないかもしれませんね。
せめて、雑巾になるくらいまでは使いきりたい!と、裂き織りを見るたびに決意を新たに・・・。

裂き織りは、炬燵がけ以外にも帯に織られたりもしていて、
農閑期の農家の大切な収入源だった時代もあったそうです。

祖母の炬燵がけは、祖母の継母の実家が農家で、
そこに着古した着物を送って作ってもらったとのこと。
母が子供の頃、ということは今から○十年前・・・。
その頃までは、農村では普通に生活の中に機織があったんだろうな。
う~ん。時代の流れの速さを感じずにはいられません!

裂き織りの炬燵がけ_e0143294_20335695.jpg

「裂き織り」とまではいきませんが、
布の再利用におすすめなのが「布ぞうり」。
はんてん屋では「浴衣」を裂いたものを利用。
その他、シーツやワイシャツ、
Tシャツなどでも出来るそうです。

5月から、神郡の「はんてん屋 里工房」でも
布ぞうり作り体験が出来ます!
毎週土日、予約制なので事前にお電話下さい。
体験料は、材料費と飲み物つきで2,500円です。
ご興味のある方は、どうぞお気軽に!お子さんでも出来ますよ。

みき
by hantenya3 | 2008-04-15 20:52 | 布・針仕事


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